婚約者の愛が重すぎるのでわからせようと思います!



ルーカスは常々「ゾーイを世界から隠したい」と言っていた。
なので、私もそれに対抗して、同じようなことを言い、あわやルーカスに別荘に拉致されそうになる…というやり取りが私たちの間ではお馴染みだった。



「私もルーカスを世界から隠したいわ。でも仕事があるから無理な話よね」



仕事の話をすれば、ルーカスはいつも悲しそうな顔をして「そうだね」と私を拉致することを諦める。
…が、今回もそうなるだろうと見込んでいたことが、大きな間違いだった。
ルーカスは私の言葉にいつもとは違い、いい笑顔になると、私の右手を両手で大事そうに包み、目を輝かせてこう言ってきたのだ。



「じゃあ、2人で隠れよう。この世界から。仕事なら一通り終えているよ。もちろん、ゾーイのものもね。3ヶ月は俺たち自由だよ」



私は最初、ルーカスの言葉がうまく理解できなかった。
しかしそんな私をルーカスが待つわけもなく。



「さあ、行こう。俺のゾーイ」



こうしてそのまま私はルーカスにヴァレンタイン公爵家の別荘へと連れて来られたのだ。
3ヶ月のバカンスの幕開けである。

ルーカスが突然私ではなく、仕事を優先させ始めたのは自分の仕事とついでに私の仕事までやっていたからであった。
しかも3ヶ月分も。


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