過つは彼の性、許すは我の心 肆
「騒がしいですね」
「え?」
圭三郎さんは、先程の穏やかな表情から一変、険しい顔つきで、遠くの人だかりができている場所を訝しげに見ていた。
「警備の人まで出て来てるみたいですね」
「ええ…」
遠目からだが青い制服を着た人達が、人集りの中央に向かって行くのが見えて、以外と大事になっているんだなと呑気に思っていれば、
「…もうそろそろ鉄将様も来られるでしょうから、綴様はそちらの椅子にお座りになってお待ち下さい」
行っちゃった。
圭三郎さんは私の返事を待たずして、渦中へ向かって行く。代理とは言え、院長だもんね。
それに私も少し疲れちゃったしね。
「はあ…」
言われれた通りに椅子に腰を降ろそうとして、
「圭三郎!どう言う事よ!!」
つんざくような声に動きが止まる。
穏やかではなさそう。
再び視線を騒ぎの方に向けると、先程より騒ぎの中心が見える様になっていて、声もよく聞こえた。
あれって…。
「お母さん落ち着いて、」
「離しなさい!どうしてあの人が…!」
「どうか落ち着いてください」
見知った女性ーーーるり様と、そのるり様をもう少し年齢を重ねさせた女性が圭三郎さんにしがみついていた。
お母さんって聞こえたから恐らくるり様のお母さん?