過つは彼の性、許すは我の心 肆


 でも何でるり様とそのお母さんと圭三郎さん?

 あんまり予想の付かない組み合わせに、野次馬ばりにマジマジと3人組を見てしまう。

 天條だからと言えばどんな横繋がりがあっても可笑しくないけれど、るり様のお母さんの剣幕からして、良い話ではなさそうだ。

 私の予感は当たって。


「あの人…保宇様はどうして…!」


 土師保宇。

 亡くなった因縁の男。

 その名前に、心臓がギュッと締め付けられた気がした。

 沢山の人の人生を巻き込んで、最後は命を奪われた。

 そんな男とるり様達が一体どんな関係がーー…。


「…警察からの公式の発表があったでしょう。保宇様は強盗に遭って犯人は捕まっていないと」


 圭三郎さんは渋々ながらもそう答えるが、そんなので止まる筈もないるり様のお母さんは、


「そんなの誰が信じるものですか!知っているんですからね!あの人は!」


 勢いのまま何かを言い掛けた。

 すると、


「ーーーもう一度言います。落ち着いて下さい」

 
 言葉だけなら冷たくもないのに。

 聞いた事のない冷たさを持たせた圭三郎さんの低い声に、興奮していたるり様のお母さんの声が途切れた。

 きっと圭三郎さんを知っている人なら誰でもびっくりすると思う。

 優しく穏やかに人を諭すイメージしかない圭三郎さんが話し合いをせずに人を拒絶する。
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