隣国へ売られた裏聖女は黒騎士様の病を治して国も繁栄させてしまったので、帰ってこいと言われてももう帰してもらえません
8 聖女の秘密
セイラの部屋から出たダリオスは、廊下の途中で立ち止まり、セイラを握った手を見つめていた。
(どうして彼女はあんなにも自分を犠牲にしてまで俺や国のために尽くそうとする?聖女だからと言って自分よりも他人のためにと動きすぎだ)
ポリウスの聖女は高飛車で傲慢だと噂では聞いていた。だが、セイラはそんな噂とは真逆だ。謙虚で素直すぎるところがある。
(ポリウスの聖女について、もっと調べる必要があるな)
こちらの国に連れてくる前に、聖女について一通り調べてはいた。だが、そのどれもが噂の域を出ないものばかりだった。ポリウスが隠していたのか、それとも、ポリウスの中でも知られていない聖女の何かがあるのか。
セイラが倒れた時には心臓が止まる思いだった。きっと自分の腕を浄化した上にベラリウスの土地の浄化も行ったせいで力を使いすぎたせいだろうと思ったが、案の定だった。屋敷へ戻ってくる間、自分の馬に乗せて抱き抱えるようにして来たが、一向に目覚める気配のないセイラが心配でたまらなかった。
屋敷へ戻ってセイラが目覚めてくれたことに安堵し、セイラと話をしていた時のことを思い出す。握った手の感触、困惑した顔、少し照れたような微笑み、そのどれもがダリオスの心へ少しずつ浸食していく。じんわりとセイラの存在がダリオスの中で大きくなっているのを感じていた。
(あくまでも契約結婚。俺の腕が治れば、彼女をポリウスに帰してもいいと最初の時点で伝えてある。だが……俺は彼女を帰したくないと思っている?なぜだ?この気持ちは一体……)
見つめていた手をぎゅっと握り締め、ダリオスは自室へ戻っていった。
(どうして彼女はあんなにも自分を犠牲にしてまで俺や国のために尽くそうとする?聖女だからと言って自分よりも他人のためにと動きすぎだ)
ポリウスの聖女は高飛車で傲慢だと噂では聞いていた。だが、セイラはそんな噂とは真逆だ。謙虚で素直すぎるところがある。
(ポリウスの聖女について、もっと調べる必要があるな)
こちらの国に連れてくる前に、聖女について一通り調べてはいた。だが、そのどれもが噂の域を出ないものばかりだった。ポリウスが隠していたのか、それとも、ポリウスの中でも知られていない聖女の何かがあるのか。
セイラが倒れた時には心臓が止まる思いだった。きっと自分の腕を浄化した上にベラリウスの土地の浄化も行ったせいで力を使いすぎたせいだろうと思ったが、案の定だった。屋敷へ戻ってくる間、自分の馬に乗せて抱き抱えるようにして来たが、一向に目覚める気配のないセイラが心配でたまらなかった。
屋敷へ戻ってセイラが目覚めてくれたことに安堵し、セイラと話をしていた時のことを思い出す。握った手の感触、困惑した顔、少し照れたような微笑み、そのどれもがダリオスの心へ少しずつ浸食していく。じんわりとセイラの存在がダリオスの中で大きくなっているのを感じていた。
(あくまでも契約結婚。俺の腕が治れば、彼女をポリウスに帰してもいいと最初の時点で伝えてある。だが……俺は彼女を帰したくないと思っている?なぜだ?この気持ちは一体……)
見つめていた手をぎゅっと握り締め、ダリオスは自室へ戻っていった。