隣国へ売られた裏聖女は黒騎士様の病を治して国も繁栄させてしまったので、帰ってこいと言われてももう帰してもらえません
*
グレゴスに着いてセイラが馬車から降りると、体の周りに瘴気がまとわりつく。街全体が暗く、街中を歩く人は全く見られない。ガラス細工で有名だが、どこの店も閉められていて休業の看板がぶら下がっていた。
「酷い状況ですね……」
渋い顔でクレアがそう言うと、ダリオスも周囲を見渡して眉を顰める。
(ここまで酷いと、もしかしたら街の人たちは病にふせっているかもしれない。早く浄化を行わないと……!)
「街の中心に、小さな教会があります。そこで浄化をします」
セイラがそう言うと、ダリオスとクレアは目を合わせて力強く頷いた。瘴気の強い場所では人間も瘴気に当てられておかしくなっている場合があり、どこに危険が潜んでいるかわからない。ダリオスはセイラを守るようにして歩き、クレアも二人の少し後ろを警戒しながら歩いていた。
教会に着いて中に入ると、明かりはひとつも着いておらず真っ暗だ。天候が悪く、窓から差し込む光も全くない。クレアが魔法で明かりをつけると、教会内が見渡せるようになった。
「誰もいないようですね」
クレアの声が教会内に響き渡る。三人が辺りの様子を伺う音しかしないと思われたその時、カツーンと微かに違う音が聞こえる。
「誰だ?」
ダリオスが音のする方へ疑問の声を投げると、クレアがその方向を光で照らした。
「ヴッ!」
「……!牧師様!」
光を当てた先には、一人の男が光を遮るようにして腕で顔を隠している。その人物を見て、セイラは驚いて声を出した。
「牧師様、ご無事だったんですね!」
セイラが駆け寄ると、牧師と呼ばれた男は手を下ろしてセイラの顔を見る。そして、セイラは牧師の顔を見て驚愕した。
(っ!牧師様……!)
牧師の顔はやせ細り、目の下にクマができている。そして何よりも、目に光がない。生きているはずなのに、まるで死んでいるかのようだ。
「グアッ!」
「きゃあっ!」
「セイラ!」
牧師が唸り声を上げると、牧師の体から瘴気が一気に噴出した。セイラが瘴気の勢いに体勢を崩すと、ダリオスが間一髪でセイラを受け止める。
(そんな……牧師様がこんな姿に……!しかも噴出した瘴気が身体中を取り巻いているわ!)
グレゴスに着いてセイラが馬車から降りると、体の周りに瘴気がまとわりつく。街全体が暗く、街中を歩く人は全く見られない。ガラス細工で有名だが、どこの店も閉められていて休業の看板がぶら下がっていた。
「酷い状況ですね……」
渋い顔でクレアがそう言うと、ダリオスも周囲を見渡して眉を顰める。
(ここまで酷いと、もしかしたら街の人たちは病にふせっているかもしれない。早く浄化を行わないと……!)
「街の中心に、小さな教会があります。そこで浄化をします」
セイラがそう言うと、ダリオスとクレアは目を合わせて力強く頷いた。瘴気の強い場所では人間も瘴気に当てられておかしくなっている場合があり、どこに危険が潜んでいるかわからない。ダリオスはセイラを守るようにして歩き、クレアも二人の少し後ろを警戒しながら歩いていた。
教会に着いて中に入ると、明かりはひとつも着いておらず真っ暗だ。天候が悪く、窓から差し込む光も全くない。クレアが魔法で明かりをつけると、教会内が見渡せるようになった。
「誰もいないようですね」
クレアの声が教会内に響き渡る。三人が辺りの様子を伺う音しかしないと思われたその時、カツーンと微かに違う音が聞こえる。
「誰だ?」
ダリオスが音のする方へ疑問の声を投げると、クレアがその方向を光で照らした。
「ヴッ!」
「……!牧師様!」
光を当てた先には、一人の男が光を遮るようにして腕で顔を隠している。その人物を見て、セイラは驚いて声を出した。
「牧師様、ご無事だったんですね!」
セイラが駆け寄ると、牧師と呼ばれた男は手を下ろしてセイラの顔を見る。そして、セイラは牧師の顔を見て驚愕した。
(っ!牧師様……!)
牧師の顔はやせ細り、目の下にクマができている。そして何よりも、目に光がない。生きているはずなのに、まるで死んでいるかのようだ。
「グアッ!」
「きゃあっ!」
「セイラ!」
牧師が唸り声を上げると、牧師の体から瘴気が一気に噴出した。セイラが瘴気の勢いに体勢を崩すと、ダリオスが間一髪でセイラを受け止める。
(そんな……牧師様がこんな姿に……!しかも噴出した瘴気が身体中を取り巻いているわ!)