隣国へ売られた裏聖女は黒騎士様の病を治して国も繁栄させてしまったので、帰ってこいと言われてももう帰してもらえません
顔をダリオスの方に少し向け悲しげにそういうセイラを見て、ダリオスの胸はギュッと締め付けられた。セイラの顔を見つめながら、教会で牧師が言っていたことを思い出す。
「……セイラはこの国の国民たちにとても愛されているんだな。牧師様の話を聞いていて、心の底からそう思ったよ」
セイラの髪の毛を優しく撫でながらダリオスが優しく言うと、セイラは嬉しそうに目を閉じて微笑む。
「本当に、ありがたいです。私はずっと影にいる人間で、誰も私のことなんか気にかけていないと思っていました。それでも、聖女として役に立てるならそれでよかった。でも、私の気持ちは皆さんに伝わっていたんですね」
(隣国に行った私のことを、気にかけてくださっていた。どこにいても私が幸せであるようにと願ってくれていた。本当に、私は幸せ者だわ)
「ああ。そんなセイラだからこそ、……俺としては、牧師様に気づかれる前に、俺を夫として紹介してほしかったな」
ダリオスの言葉にハッとしてダリオスを見ると、ダリオスはほんの少しだけ拗ねているように見える。
「あっ、えっと……迷ったのですが、どう言ったらいいのかわからなくて……それに照れくさくて自分からは言えませんでした。すみません」
セイラが慌ててそう言うと、ダリオスはフッと優しく微笑んだ。
「いいよ、そこまで本気で拗ねてるわけじゃない。そうだ、これを君に」
そう言って、ダリオスは胸ポケットから腕輪を取り出した。
(これは……クレア様が作った腕輪だわ。ダリオス様の腕がまだ治っていない時に、念のためにと私の聖女の力をこめた腕輪ね)
「腕が治った俺にはもう必要がない。でも、今回ポリウスに行くことになって、クレアがもしものために持っていく方がいいと言っていたんだ」
寄りかかっていた体をセイラが起こすと、ダリオスは腕輪を服の上からセイラの腕にはめた。パチン!と金具が止まるのと同時に、小さな光が腕輪から放たれる。
「……セイラはこの国の国民たちにとても愛されているんだな。牧師様の話を聞いていて、心の底からそう思ったよ」
セイラの髪の毛を優しく撫でながらダリオスが優しく言うと、セイラは嬉しそうに目を閉じて微笑む。
「本当に、ありがたいです。私はずっと影にいる人間で、誰も私のことなんか気にかけていないと思っていました。それでも、聖女として役に立てるならそれでよかった。でも、私の気持ちは皆さんに伝わっていたんですね」
(隣国に行った私のことを、気にかけてくださっていた。どこにいても私が幸せであるようにと願ってくれていた。本当に、私は幸せ者だわ)
「ああ。そんなセイラだからこそ、……俺としては、牧師様に気づかれる前に、俺を夫として紹介してほしかったな」
ダリオスの言葉にハッとしてダリオスを見ると、ダリオスはほんの少しだけ拗ねているように見える。
「あっ、えっと……迷ったのですが、どう言ったらいいのかわからなくて……それに照れくさくて自分からは言えませんでした。すみません」
セイラが慌ててそう言うと、ダリオスはフッと優しく微笑んだ。
「いいよ、そこまで本気で拗ねてるわけじゃない。そうだ、これを君に」
そう言って、ダリオスは胸ポケットから腕輪を取り出した。
(これは……クレア様が作った腕輪だわ。ダリオス様の腕がまだ治っていない時に、念のためにと私の聖女の力をこめた腕輪ね)
「腕が治った俺にはもう必要がない。でも、今回ポリウスに行くことになって、クレアがもしものために持っていく方がいいと言っていたんだ」
寄りかかっていた体をセイラが起こすと、ダリオスは腕輪を服の上からセイラの腕にはめた。パチン!と金具が止まるのと同時に、小さな光が腕輪から放たれる。