隣国へ売られた裏聖女は黒騎士様の病を治して国も繁栄させてしまったので、帰ってこいと言われてももう帰してもらえません
両手で顔を覆ったまま小声で謝るダリオスを横目で見ながら、セイラはゆっくりと体を起こして小さくため息をつく。
「ダリオス様、ちゃんと私の顔を見て謝ってください」
セイラがそう言うと、ダリオスは肩をビクッと震わせ、動かなくなる。だが、少し経ってから両手を下ろし、恐る恐るセイラの方を向いた。その顔は、この世の終わりだと言わんばかりの顔をしている。
(ダリオス様のこんな顔、初めて見たわ)
セイラが驚いていると、ダリオスは力なくセイラの方へ体を寄せて、セイラの左手を取る。
「……すまない、本当に、どうかしていた。あんな、身勝手で乱暴なことするなんて最低だ……ひっぱたいてくれて構わない。どうしたら許してくれる?セイラが許してくれるなら何だってする、何だってするから、嫌いにならないでくれ」
最後の方は蚊の鳴くような小さな声になっている。きゅっと左手を握るダリオスの手は、少しだけ震えているようだ。
(ダリオス様、どうしてこんなに私のことを……?)
あまりの様子に、セイラは面食らってしまう。旅の終わりに、ルシアたちへ向けた恐ろしい形相のダリオスと本当に同一人物だろうか?そう思えてしまうほど、今のダリオスはあまりにも弱々しく思えた。
セイラが無言なことでダリオスはさらに不安になってしまったのだろう。セイラを見つめる瞳はいつもの心強さを消し、すっかり不安で搖れている。
(いけない、黙ったままだとダリオス様をもっと不安がらせてしまう)
慌ててセイラはダリオスを見つめながら口を開いた。
「ダリオス様、驚きましたけど嫌いになってませんから大丈夫です。でも、早とちりはやめてくださいね。ダリオス様らしくないです」
セイラが優しくそう諭すと、ダリオスはセイラを見つめながら小さく息を吐いた。
「らしくない、か。自分でもそう思うよ、君のことになると、どうしてか我を忘れてしまう。こんな気持ちになるのははじめてで、どうしていいか全くわからない」
「ダリオス様、ちゃんと私の顔を見て謝ってください」
セイラがそう言うと、ダリオスは肩をビクッと震わせ、動かなくなる。だが、少し経ってから両手を下ろし、恐る恐るセイラの方を向いた。その顔は、この世の終わりだと言わんばかりの顔をしている。
(ダリオス様のこんな顔、初めて見たわ)
セイラが驚いていると、ダリオスは力なくセイラの方へ体を寄せて、セイラの左手を取る。
「……すまない、本当に、どうかしていた。あんな、身勝手で乱暴なことするなんて最低だ……ひっぱたいてくれて構わない。どうしたら許してくれる?セイラが許してくれるなら何だってする、何だってするから、嫌いにならないでくれ」
最後の方は蚊の鳴くような小さな声になっている。きゅっと左手を握るダリオスの手は、少しだけ震えているようだ。
(ダリオス様、どうしてこんなに私のことを……?)
あまりの様子に、セイラは面食らってしまう。旅の終わりに、ルシアたちへ向けた恐ろしい形相のダリオスと本当に同一人物だろうか?そう思えてしまうほど、今のダリオスはあまりにも弱々しく思えた。
セイラが無言なことでダリオスはさらに不安になってしまったのだろう。セイラを見つめる瞳はいつもの心強さを消し、すっかり不安で搖れている。
(いけない、黙ったままだとダリオス様をもっと不安がらせてしまう)
慌ててセイラはダリオスを見つめながら口を開いた。
「ダリオス様、驚きましたけど嫌いになってませんから大丈夫です。でも、早とちりはやめてくださいね。ダリオス様らしくないです」
セイラが優しくそう諭すと、ダリオスはセイラを見つめながら小さく息を吐いた。
「らしくない、か。自分でもそう思うよ、君のことになると、どうしてか我を忘れてしまう。こんな気持ちになるのははじめてで、どうしていいか全くわからない」