隣国へ売られた裏聖女は黒騎士様の病を治して国も繁栄させてしまったので、帰ってこいと言われてももう帰してもらえません
セイラが顔を上げて返事をすると、ダリオスが部屋に入ってくる。ダリオスも湯浴みを済ませてきたのだろう、部屋着でほのかに湯上がりの良い香りがする。
(相変わらず、ダリオス様の色気がすごいわ……!何度見ても慣れないのには困ってしまう)
セイラは思わず頬をほんのりと赤く染めると、すぐにパッと視線を逸らす。そんなセイラを見て、ダリオスはクスッと小さく笑った。
「隣に腰掛けても?」
「もちろんです」
ふふっと嬉しそうにセイラが言うと、ダリオスはセイラの隣に腰を下ろす。
「どうかなされたのですか?」
二人の寝室ではあるが、セイラの体調を考えて最近は数日おきに別々の部屋で寝ている。毎日一緒に寝ると、セイラに無理をさせてしまうというダリオスの言い分と、セイラも実際にそうだと身に染みてわかったからだ。
「セイラに伝えておきたいことがあったんだ。……元ポリウスから戻る日、アレク殿下とガイズ殿が密会をしているところを目撃した」
「……え?」
(ガイズと、アレク殿下が?どうしてその二人が?)
セイラの瞳が動揺して揺らぐ。ダリオスも、複雑な表情で話を続けた。
「アレク殿下がわざわざ元ポリウスに来てガイズ殿に接触したのは、おそらく妹君が唆したんだろう。ガイズ殿に限ってないとは思うが、アレク殿下がガイズ殿に謀反を起こすような助言をしたかもしれない」
「そんな……!」
(ルシアがアレク殿下に……あの子なら、確かにやりそうなことだわ。でも、それにガイズを巻き込むだなんて)
「ガイズは、謀反を起こすような騎士ではありません!」
必死の思いでセイラがダリオスに言うと、ダリオスは一瞬言葉に詰まる。だが、セイラの両肩を優しく掴んでセイラをじっと見つめる。
「わかってる。俺もガイズ殿は元ポリウスの騎士団長として立派な男だと思っているよ。だが、アレク殿下と密会していたことは事実なんだ。どうか、セイラも二人には気をつけてほしい」
ダリオスのエメラルド色の瞳がセイラをしっかりと射抜く。その瞳は、一人の男としてだけではなく、レインダムの騎士としての強い思いが感じられ、セイラはハッと両目を見開く。
(ダリオス様は何よりもレインダムを思って言っているんだわ。それなのに、私は私個人の思いだけで感情的になってしまった)
セイラはそっと瞳を伏せて小さく深呼吸すると、ダリオスを見上げた。セイラのスカイブルーの瞳は、先ほどまでの揺らぎを消して強い輝きを放っている。
「わかりました。お二人にはくれぐれも気をつけます。どうか、ダリオス様も無茶はしないでください」
「……ああ、ありがとう」
ダリオスはホッとしたように微笑む。それから、少しだけ視線を逸らして口を開き、また口をつぐんだ。まるで何かを言いたいけど言えない、そんな様子に、セイラは不思議そうな顔でダリオスを見つめる。しばらくすると、ダリオスは意を決して口を開いた。
「ここからは、夫としてセイラに聞きたいことがある。セイラは、……ガイズ殿のことをどう思っている?」
(相変わらず、ダリオス様の色気がすごいわ……!何度見ても慣れないのには困ってしまう)
セイラは思わず頬をほんのりと赤く染めると、すぐにパッと視線を逸らす。そんなセイラを見て、ダリオスはクスッと小さく笑った。
「隣に腰掛けても?」
「もちろんです」
ふふっと嬉しそうにセイラが言うと、ダリオスはセイラの隣に腰を下ろす。
「どうかなされたのですか?」
二人の寝室ではあるが、セイラの体調を考えて最近は数日おきに別々の部屋で寝ている。毎日一緒に寝ると、セイラに無理をさせてしまうというダリオスの言い分と、セイラも実際にそうだと身に染みてわかったからだ。
「セイラに伝えておきたいことがあったんだ。……元ポリウスから戻る日、アレク殿下とガイズ殿が密会をしているところを目撃した」
「……え?」
(ガイズと、アレク殿下が?どうしてその二人が?)
セイラの瞳が動揺して揺らぐ。ダリオスも、複雑な表情で話を続けた。
「アレク殿下がわざわざ元ポリウスに来てガイズ殿に接触したのは、おそらく妹君が唆したんだろう。ガイズ殿に限ってないとは思うが、アレク殿下がガイズ殿に謀反を起こすような助言をしたかもしれない」
「そんな……!」
(ルシアがアレク殿下に……あの子なら、確かにやりそうなことだわ。でも、それにガイズを巻き込むだなんて)
「ガイズは、謀反を起こすような騎士ではありません!」
必死の思いでセイラがダリオスに言うと、ダリオスは一瞬言葉に詰まる。だが、セイラの両肩を優しく掴んでセイラをじっと見つめる。
「わかってる。俺もガイズ殿は元ポリウスの騎士団長として立派な男だと思っているよ。だが、アレク殿下と密会していたことは事実なんだ。どうか、セイラも二人には気をつけてほしい」
ダリオスのエメラルド色の瞳がセイラをしっかりと射抜く。その瞳は、一人の男としてだけではなく、レインダムの騎士としての強い思いが感じられ、セイラはハッと両目を見開く。
(ダリオス様は何よりもレインダムを思って言っているんだわ。それなのに、私は私個人の思いだけで感情的になってしまった)
セイラはそっと瞳を伏せて小さく深呼吸すると、ダリオスを見上げた。セイラのスカイブルーの瞳は、先ほどまでの揺らぎを消して強い輝きを放っている。
「わかりました。お二人にはくれぐれも気をつけます。どうか、ダリオス様も無茶はしないでください」
「……ああ、ありがとう」
ダリオスはホッとしたように微笑む。それから、少しだけ視線を逸らして口を開き、また口をつぐんだ。まるで何かを言いたいけど言えない、そんな様子に、セイラは不思議そうな顔でダリオスを見つめる。しばらくすると、ダリオスは意を決して口を開いた。
「ここからは、夫としてセイラに聞きたいことがある。セイラは、……ガイズ殿のことをどう思っている?」