1度ならず2度までも君に恋をする
「終わった?」

「今終わった」

「取り合えずスペース空けたから洗濯して乾燥終わったらしまえるよ」

「ありがとう」


 そんなやり取りを交わしながら、私は洗面台にあるドラム式洗濯機の前へと向かった。

 買ってきたばかりの服やタオルを、洗濯機に放り込む。そのスイッチ一つを自由に使えることさえ、今の私には奇跡のような感動だった。

 回り始めた洗濯機の音を聞きながらもし、本当に一緒に暮らしたら、という妄想が止まらなくなる。

 朝陽が差し込むあの寝室で、どちらからともなく目を覚ます。顔を洗って、並んで歯を磨いて、キッチンに立って、トーストの焼ける香りに包まれながら朝ごはんを作る。テーブルを囲んで美味しいねと笑い合い、一緒に仕事に通勤したり。

 休日は今日みたいにお出かけをしたり、あるいは家で一日中まったりと映画を観たりして、そして一日の終わりには、また同じベッドで「おやすみ」と言って眠りにつく。

 かつては遠い夢のまた夢だった光景が、今はすぐ手の届くところにある。

 そんな未来を想像するだけで、胸の奥が温かくなる。
 どれもこれも少しずつ叶ってきていて夢のようで。

 今、彼と一緒にいると言う事実が幸せな事だった。
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