1度ならず2度までも君に恋をする
「あのさ」
真紘くんの声に「ん?」と振り向くと、彼はいつになく真剣な表情をしていた。
もともと感情を表に出すタイプではないけれど、今日の彼はどこか硬く、わずかに緊張しているように見える。
言葉を待っていると、「今日、家来る?」と問いかけられた。
少し驚いたけれど、私は精いっぱいの笑顔で「うん」と頷いた。
彼から誘われるのが珍しいわけではないけれど、その誘い文句を口にするまでの硬い空気感に、私は言いようのない違和感を抱いていた。
◝✩
彼の家に着き、いつも通りに夕飯と入浴を済ませる。リビングのソファでは、真紘くんがくつろいだ様子で本を広げていた。
いつもの定位置である彼の隣に腰を下ろすと、彼は開いていた文庫本をパタンと閉じ、私の方へ向き直った。
「案件、上手く行ってよかったね」
「まだクライアントの最終決定があるから気は抜けないけどね」
そうは言うけれど、クライアント側は真紘くんが引き受けると聞いただけで、かなり喜んでいたらしい。そのことは、すでに佐久間さんからこっそり聞いていた。
そんなことを思い出していると、真紘くんは「あのさ」と口を開き、彼の方を見る。
「話があるんだけど」
改まって切り出した真紘くんに、私は「ん?」と小さく首を傾げた。
彼がこんな風に話があなんて口にするのは、珍しい。
その改まった言葉に、私の背筋が自然と伸びる。
真っ直ぐにこちらを見つめる彼の言葉を待っていると、真紘くんはおもむろにパーカーのポケットへ手を入れた。そして、差し出された彼の手のひらには、小さな箱が乗っていた。
真紘くんの声に「ん?」と振り向くと、彼はいつになく真剣な表情をしていた。
もともと感情を表に出すタイプではないけれど、今日の彼はどこか硬く、わずかに緊張しているように見える。
言葉を待っていると、「今日、家来る?」と問いかけられた。
少し驚いたけれど、私は精いっぱいの笑顔で「うん」と頷いた。
彼から誘われるのが珍しいわけではないけれど、その誘い文句を口にするまでの硬い空気感に、私は言いようのない違和感を抱いていた。
◝✩
彼の家に着き、いつも通りに夕飯と入浴を済ませる。リビングのソファでは、真紘くんがくつろいだ様子で本を広げていた。
いつもの定位置である彼の隣に腰を下ろすと、彼は開いていた文庫本をパタンと閉じ、私の方へ向き直った。
「案件、上手く行ってよかったね」
「まだクライアントの最終決定があるから気は抜けないけどね」
そうは言うけれど、クライアント側は真紘くんが引き受けると聞いただけで、かなり喜んでいたらしい。そのことは、すでに佐久間さんからこっそり聞いていた。
そんなことを思い出していると、真紘くんは「あのさ」と口を開き、彼の方を見る。
「話があるんだけど」
改まって切り出した真紘くんに、私は「ん?」と小さく首を傾げた。
彼がこんな風に話があなんて口にするのは、珍しい。
その改まった言葉に、私の背筋が自然と伸びる。
真っ直ぐにこちらを見つめる彼の言葉を待っていると、真紘くんはおもむろにパーカーのポケットへ手を入れた。そして、差し出された彼の手のひらには、小さな箱が乗っていた。