1度ならず2度までも君に恋をする
 その言葉と同時に、小さな音を立てて箱が開かれた。

 中に納まっていたのは、リビングの柔らかな光を反射して銀色に輝く、シンプルで上品なデザインの指輪。

 思考が真っ白になり、予想だにしなかった展開に「えええええええ!?」と、自分でも驚くほどの大きな声が出てしまう。

 あまりの騒ぎように、真紘くんはうるさいと言わんばかりに軽く眉を顰めた。だけど、その耳の先がわずかに赤くなっているのを、私は見逃さなかった。

 プロポーズだなんて、夢にも思っていなかった。
 思わぬ展開に、目をぱちぱちと瞬きをさせた。

 
「なんで!?いつから考えてたの!?」

「佐久間さんからコピーの工程表をもらったって自爆した日」

「こんな大きなことをそんな日に決意しないでよ!」


 呆れと驚きが混ざり合い、複雑な気持ちにはなるけれど、それ以上に、言葉にできないほど嬉しい。

 まさか、彼が私と同じ未来を見つめてくれているなんて、夢にも思っていなかったから。

 溢れ出しそうな想いを言葉にしきれず、私は彼へと勢いよく飛び込んだ。

 真紘くんはその勢いに押されながらも、私の身体を必死に受け止めてくれる。


「大好き」


 視界が涙で滲む。彼の肩に顔を埋めたまま、声を震わせてそう告げた。

 真紘くんの表情は見えなかったけれど、耳元で「俺も」と、消え入りそうなほど小さな声が返ってきた。

 素直に言葉にするのが苦手な人だけれど、彼なりに精いっぱいの誠実さで返そうとしてくれる、その不器用さがたまらなく愛おしい。
 
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