1度ならず2度までも君に恋をする
「そうなんですね。挨拶だけしたけど、それ以外はまだ話した事ないです」
「最近忙しすぎて疲れてそうだけど、大丈夫かな。朝比奈いつも時間忘れて働くから」
佐久間さんは少し溜息を吐き、店員が運んできた品を受け取っていた。そこで1度夏帆ちゃんの話は止まり、次第に真紘くんの前の職場での話になった。
「真紘も前は他社のコピーライターやってたんだよね?」
「え?」
「まあ…、はい」
真紘くんはいつもの何を考えているか分からない無表情さで、返事をしたがそれ以上は語らない。
「森山もいろいろ聞けばいいよ。佐野のキャッチコピーは刺さるものが多いと思う」
「やめてください。もう書けないので」
特に深く掘った訳じゃない。だけど真紘くんは早い段階で、この話をこれ以上することに牽制した。
真紘くんが話したくないことは、それなりに返事をして済ませることが多いのは昔からだけど、今回ははっきりと拒絶を示した。すごく、珍しいことで少し驚いた。
「…本当にもう書かないの?」
「…書かないんじゃなくて、書けないんです。何も浮かばないから」
真紘くんの話を聞いていた佐久間さんはそれ以上何も言及しなかったが、私だけが話に追いついていなかった。筆を折ってしまうほどの出来事があって、真紘くんはこの業界を降りようとした。
どんなことがあったか深く知りたかったけれど、真紘くんの話したくなさそうな雰囲気からこれ以上聞くことはしなかった。
「最近忙しすぎて疲れてそうだけど、大丈夫かな。朝比奈いつも時間忘れて働くから」
佐久間さんは少し溜息を吐き、店員が運んできた品を受け取っていた。そこで1度夏帆ちゃんの話は止まり、次第に真紘くんの前の職場での話になった。
「真紘も前は他社のコピーライターやってたんだよね?」
「え?」
「まあ…、はい」
真紘くんはいつもの何を考えているか分からない無表情さで、返事をしたがそれ以上は語らない。
「森山もいろいろ聞けばいいよ。佐野のキャッチコピーは刺さるものが多いと思う」
「やめてください。もう書けないので」
特に深く掘った訳じゃない。だけど真紘くんは早い段階で、この話をこれ以上することに牽制した。
真紘くんが話したくないことは、それなりに返事をして済ませることが多いのは昔からだけど、今回ははっきりと拒絶を示した。すごく、珍しいことで少し驚いた。
「…本当にもう書かないの?」
「…書かないんじゃなくて、書けないんです。何も浮かばないから」
真紘くんの話を聞いていた佐久間さんはそれ以上何も言及しなかったが、私だけが話に追いついていなかった。筆を折ってしまうほどの出来事があって、真紘くんはこの業界を降りようとした。
どんなことがあったか深く知りたかったけれど、真紘くんの話したくなさそうな雰囲気からこれ以上聞くことはしなかった。