何度でも君と忘れられない恋をする
「あ、うん」


チャイムが鳴りやんでもいつまでも立っている僕に、怪訝そうな顔をした伊倉から背中を押されてやっと歩き出す。


「あ、君が私のお隣さん?」


なんでもない顔をしながら席に向かっていくと、顔を上げた彼女が眩しい笑顔を僕に向けてきた。


「初めまして。立花陽依です。よろしくね」


にこっと笑いかけてきた彼女は、僕に向かって右手を差し出してきた。


「藍原桐人(きりと)、です。よろしく」


自分でもどうして動揺しているのかわからないくらい、声も手も震えた。

みっともない初対面となってしまったけど、そんな僕に気にした様子もなく彼女、立花陽依は重ねた僕の手を握り返してくれた。

それが僕と立花の“はじめまして”だった。



「ねえみんなで陽依ちゃんの歓迎会しようよー!」


放課後、クラスで発言力のある女子が大声でそんなことを言い出した。
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