恋は手のひらの上で
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店を出ると、夜の空気が思ったより冷たかった。
ラーメンの湯気でぼんやりしていた頭が、少しだけはっきりする。
高橋はポケットに手を入れたまま、駅の方をあごで指した。
「じゃ、また明日」
「うん、また明日」
それだけ言って、私たちはそれぞれの方向へ歩き出した。
帰りの電車の中。
窓に映る自分の顔を、ぼんやり眺める。
今日、ちゃんと終わらせた。
高橋のことも。
胸の奥で、静かにひとつ区切りがついた気がする。
電車に揺られながら、スマホを取り出す。
ラインの一覧を開くと、指が迷わずある名前のところで止まった。
椎名さん。
しばらく画面を見つめてから、私は短いメッセージを打つ。
『今日はちゃんと仕事に行けました。
この前は、本当にありがとうございました』
一度読み返してから、送信を押す。
既読は、まだつかない。
電車がトンネルに入る。
窓に映った自分の顔が、暗いガラスの向こうにふっと消えた。
それでも私は、しばらくスマホを握ったままでいた。
店を出ると、夜の空気が思ったより冷たかった。
ラーメンの湯気でぼんやりしていた頭が、少しだけはっきりする。
高橋はポケットに手を入れたまま、駅の方をあごで指した。
「じゃ、また明日」
「うん、また明日」
それだけ言って、私たちはそれぞれの方向へ歩き出した。
帰りの電車の中。
窓に映る自分の顔を、ぼんやり眺める。
今日、ちゃんと終わらせた。
高橋のことも。
胸の奥で、静かにひとつ区切りがついた気がする。
電車に揺られながら、スマホを取り出す。
ラインの一覧を開くと、指が迷わずある名前のところで止まった。
椎名さん。
しばらく画面を見つめてから、私は短いメッセージを打つ。
『今日はちゃんと仕事に行けました。
この前は、本当にありがとうございました』
一度読み返してから、送信を押す。
既読は、まだつかない。
電車がトンネルに入る。
窓に映った自分の顔が、暗いガラスの向こうにふっと消えた。
それでも私は、しばらくスマホを握ったままでいた。