俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
「……心理学に、興味があるの?」ところが、誠治の口からはまったく違う話題が出る。いつものことだ。
「えっと?」首を傾げる彼女はまだ理解していない。
「フロイトとエリクソンと来たら、……発達心理? それとも臨床心理?」
「り、んしょうのほうかもです……」恥ずかしげに彼女は笑う。「三年にあがったら、副専攻のコースを選べるじゃないですか。心理学にしたいって思ってるんです」
なにが、心理学だ。と誠治は呆れてしまう。
自分に惚れてる男が二人もいるのに気づいてもいないくせに。
この、鈍感娘が。
意地悪な気持ちが駆けあがってくるのが分かる。
「どうして、……人間になんか、興味が湧くのかなあ」誠治は、ハンバーガーを食べ、咀嚼してから二言目を発した。「人間なんか、大勢になると己の意志と判断力と思考力を失い、大多数の意見に流される、脆弱な生き物だよ。愚かで、非常に単純だ」
誠治は、以前に読んだ本の中身を思い返す。ギュスターヴ・ル・ボンの『群衆心理』。個人は、集団になった途端、馬鹿になる。
「えっと?」首を傾げる彼女はまだ理解していない。
「フロイトとエリクソンと来たら、……発達心理? それとも臨床心理?」
「り、んしょうのほうかもです……」恥ずかしげに彼女は笑う。「三年にあがったら、副専攻のコースを選べるじゃないですか。心理学にしたいって思ってるんです」
なにが、心理学だ。と誠治は呆れてしまう。
自分に惚れてる男が二人もいるのに気づいてもいないくせに。
この、鈍感娘が。
意地悪な気持ちが駆けあがってくるのが分かる。
「どうして、……人間になんか、興味が湧くのかなあ」誠治は、ハンバーガーを食べ、咀嚼してから二言目を発した。「人間なんか、大勢になると己の意志と判断力と思考力を失い、大多数の意見に流される、脆弱な生き物だよ。愚かで、非常に単純だ」
誠治は、以前に読んだ本の中身を思い返す。ギュスターヴ・ル・ボンの『群衆心理』。個人は、集団になった途端、馬鹿になる。