俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
優香の世話を手伝ったその人間は。そうした事情を一切加味せず。吟味せず。表層的な、『共働きで稼いでいる都会の夫婦』――その事実だけのみに着目し。ときに妬み、ときに羨み、あからさまな態度に出してくる。……綾乃も雇われの身だ。『仕事』をしている立場においては同じだというのに、あまりの無理解に彼女は内心で呆れた。繰り返すが、お金を稼ぐのはそんなに簡単なことではない。
丈一郎も、給与のいい会社に勤めてはいるが、残業代が全額支給される会社を彼は選んだし(二人が就職した当時、IT系で残業代が全額支給されない会社は決してレアではなかった)――もっとも。部長クラスに出世すれば『出ない』『一部支給』になるのが一般的だが。夫も、努力をしている。帰宅は遅いし、仕事に食らいつくために懸命に仕事以外の時間を仕事のために費やしている。
丈一郎も、給与のいい会社に勤めてはいるが、残業代が全額支給される会社を彼は選んだし(二人が就職した当時、IT系で残業代が全額支給されない会社は決してレアではなかった)――もっとも。部長クラスに出世すれば『出ない』『一部支給』になるのが一般的だが。夫も、努力をしている。帰宅は遅いし、仕事に食らいつくために懸命に仕事以外の時間を仕事のために費やしている。