俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 赤ちゃんの世話世話世話。自分の時間なんかまったく、一分たりとも取れないというのに。髪の毛をドライヤーで乾かす時間も取れません。テレビ一時間連続で見れればいいほう。育児休暇が『休暇』だなんてとんでもない。産後のダメージはひどいし赤ちゃんは手ぇかかるわで、泣きそうです。

 近所に気軽にこういう悩みを相談できるひともいません。会社員をしているのでママ友ネットワークもありません。――毎日。

 一人っきりで。泣いてばっかりの赤ちゃんの世話でこころが折れそうです」

 ここまで男が一息に語ったところでようやく丈一郎の顔色が動いた。「……そんなに。大変、なんですか、育児って……?」

「おれは残業時間百時間超えの仕事をしたこともある。

 前提その2。

 一人目のときにな。おれたちは、おれの母親と義父の助けを順番に借りた。二人が帰ったあと、おれは育児休暇を取得し。自分の子どもの世話をしたが。

 ……あれに比べると残業のが断然マシだったな。

 寝る時間が確保されているぶん」
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