俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
「いいよ」とわたしは答えた。

 わたしのブラのサイズはDで、平均よりもやや大きい程度。別段劣等感も優越感も感じない大きさなのだが。そのとき、彼が安心感を感じられる大きさで良かった、と思ったのだった。

 それは、一条先輩相手には感じたことのない感情だった。

 彼とのセックスは、それ以外のなにものでもない。つまり、わたしがわたしであることの幸せなど一切感じない類のものだった。

 その感情に気がついたものの、見て見ぬふりをしたわたしに、新たな感触が襲いかかる。

「ひっ、……あっ」

 彼がわたしを見る。野性的な目をしていた。

 反射的に、言葉が口から滑り落ちていた。「……いいよ」


 彼の手は、なんと、ここちよく動くのだろう。

 彼の舌は、なんと、甘やかにこちらの感情を誘発するのだろう。

 気がつけば、彼の小さな頭を抱え込み、わたしは慰める側だったはずが、形勢逆転。
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