俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
「まあ、それなり」クールな答えが返ってきた。「うちら、夫婦関係築く前に子どもがおったやん。やから、子どものおらん新婚時代がどんなもんかよう分からんけど……、子どもが二歳になるくらいまでは喧嘩ばっかやったな。そっから、熟年夫婦みたいな感じになったわ」

「熟年夫婦……」

 理解できないでいる綾乃に恵琉は補足を入れる。「子どものことで会話はするけど、お互いの話題はなーんかさっぱりて。興味が薄れるっつうか……毎日一緒におるから、やっぱ飽きてしまうんやよね」

 ちなみに恵琉は兼業主婦で、平日は証券会社でばりばり事務の仕事をしている。それくらい割り切った考えの持ち主でないと、育児と外での仕事の両立は難しいのかもしれない。

 思い切って綾乃は尋ねた。

「率直に聞くけど、……レス?」

「ううん」とアイスティーを一口ストローですすり、恵琉は首を振る。「一ヶ月にいっぺんくらいは、あるよ。なんかやけに盛りあがる」

「そう、なんだ……」不躾な質問かとも思ったが、恵琉はちゃんと答えてくれた。
< 60 / 259 >

この作品をシェア

pagetop