俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
「ながっ!」恵琉ののどちんこが綾乃には見えた。「え? なに? あんたら、つきあい始めたん年末くらいやなかったんけ」

「11月11日……」

「あそっか。ごめん。あんたの誕生日やったね。つまり、つきあい始めて八ヶ月以上経つんに、相変わらずがっつくってことなんね。そら、……しんどいわ」

「ブラも全部買い換えになったし」

「EとかFになったん?」

「さすがに、恵琉ほど大きくはないよ」綾乃は苦笑いをし、髪を耳にかける。「ワンサイズアップ」

「まあ、……愛されるんは嬉しいけど、ほんでも、大変なときもあるわなあ。

 ……小池くんに、素直に話してみたら?」

「そうする」思いつめていた綾乃の顔にやっと笑みが戻る。「そうだね。もうちょっと、控えめにして欲しいって、頼んでみる」

 でも綾乃には分かっていた。すぐには無理だろうと。自分にも、丈一郎にも。

 享楽に浸りきった恋人同士が、そこからぬけ出すのは、難しい。三年も経てば自然と『冷める』ものだが、この恋人同士はそれを知らずにいる。
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