俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 綾乃が、そっと丈一郎の頬に手を添えると、綾乃の行動を待って見つめ返し、再び丈一郎が口を開く。「それとな。綾乃は、……おれのために、いろんなことをしてくれてる。

 おれにキスするとか手でぎゅうっとおれにしがみつくとかおれの首筋吸うとかいろんなこと……」

 そんな程度のこと。

 もっと、女のほうから積極的に動くのが、本当のセックスではないのか。

 不安に目を見開かせた綾乃の頭をするりと丈一郎が撫でる。「綾乃がそうしたいってんなら、別におれは歓迎だけど、……なあ。

 お互いを知りたいからセックスするんだ。

 無理は、やめないか。

 おれは、好きで綾乃を抱いてる。

 綾乃は、おれのことが好きだから、おれに抱かれてる。

 おれは、おれに抱かれてるときの、綾乃の顔が、すごく好きなんだ。

 綾乃は、可愛い声を、おれにいっぱい聞かせてくれてる。

 綾乃が、すごく感じてるのが伝わってどうしようもなく、たまらない気持ちになるんだ。

 もっと、感じさせてやりたいって、狂いそうになる。

 狂ってる自分を抑えこむのが大変なくらいに……。
< 83 / 259 >

この作品をシェア

pagetop