Special Day
Rainy Day
しとしとと雨が降っている、ホワイトデーの今日。
俺こと如月 伊織は、待ち合わせ場所の駅に向かいながら、ビニール傘の向こうの空を見上げる。
ホワイトデーくらい晴れにしてくんないの、神さまは。
なんて、愚痴っても天気は変わんないけど。
待ち合わせ相手であり俺の彼女の梅見 千紘は俺の姿を見つけると、ぱっと表情を輝かせた。
まあ、それは一瞬ですぐに恥ずかしがって表情を変えるんだけど。
そんなツンデレなところもかわいいなって思ってる俺って、別におかしくないよね?
「伊織、おはよ」
「ん、おはよ」
おはようっていうにはちょっと遅い時間帯ではあるけど、それよりも気になるのは雨。
「雨降っちゃったね」
「な。今日どうする?」
「ん〜、アウトドア系は無理だしね……」
本当は、アウトドア系のイベントに行く予定だったけどあいにくの雨で予定は白紙。
俺は千紘と一緒に居れれば別にいいんだけど、それは言わない。
実は、代替え案を用意してるし。
「千紘がいいならだけど、俺ん家で映画でも観ない?」
「……や、でも家族の迷惑とかならない?」
「ならない、今日は夫婦で旅行だから」
「……」
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