第4部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
セナだけが状況を飲み込めないまま、話はルーク団長主導でどんどん進んでいく。
「じゃあ、場所は騎士団の模擬戦会場を押さえて。魔宝石の使用も可で」
「その申請は私に任せて」
魔宝石を使う模擬戦は規則が厳しい。
あとでディランに申請書を通さないといけない……面倒だ。
「いいね」
ルーク団長も軽く頷く。
「第2騎士団から出てくるのは――オリバー団長、エリック副団長。
それに、経験と実力のある者をもう一人。
向こうも本気で来るでしょうね。先鋭揃いで」
「だろうね」
「では、こちらはルーク団長と俺と……あとテオですか?」
セナが確認するように言う。
「いや、俺は出ないよ」
「出ないんですか!?」
思わず声を上げるセナに、ルーク団長は肩をすくめて笑った。
「だって、俺はゆっくり見てたいし」
「というか…」
少し間を置いてから、こちらを見る。
「お嬢様も、そのつもりでしょ?」
その一言で、セナの視線が私に向く。
「うん。そのつもり」
もしルーク団長まで出れば、第2騎士団に圧勝してしまう。
それは“勝負”ではなく、“面子を潰す”結果になりかねない。
今回欲しいのは、力の誇示じゃない。
対等に渡り合える――その証明だけで十分だった。
セナはまだ納得しきれない顔をしていたが、
ルーク団長はすでに次の段取りを考えているようだった。
その温度差が、なんだか少し可笑しい。
「じゃあ、場所は騎士団の模擬戦会場を押さえて。魔宝石の使用も可で」
「その申請は私に任せて」
魔宝石を使う模擬戦は規則が厳しい。
あとでディランに申請書を通さないといけない……面倒だ。
「いいね」
ルーク団長も軽く頷く。
「第2騎士団から出てくるのは――オリバー団長、エリック副団長。
それに、経験と実力のある者をもう一人。
向こうも本気で来るでしょうね。先鋭揃いで」
「だろうね」
「では、こちらはルーク団長と俺と……あとテオですか?」
セナが確認するように言う。
「いや、俺は出ないよ」
「出ないんですか!?」
思わず声を上げるセナに、ルーク団長は肩をすくめて笑った。
「だって、俺はゆっくり見てたいし」
「というか…」
少し間を置いてから、こちらを見る。
「お嬢様も、そのつもりでしょ?」
その一言で、セナの視線が私に向く。
「うん。そのつもり」
もしルーク団長まで出れば、第2騎士団に圧勝してしまう。
それは“勝負”ではなく、“面子を潰す”結果になりかねない。
今回欲しいのは、力の誇示じゃない。
対等に渡り合える――その証明だけで十分だった。
セナはまだ納得しきれない顔をしていたが、
ルーク団長はすでに次の段取りを考えているようだった。
その温度差が、なんだか少し可笑しい。