第4部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
「それより……面白そうなことを考えているね」
ディランは書類を広げ、指先でとん、とん、と軽く叩いた。
その仕草が妙に余裕たっぷりで、胸の奥がざわつく。
「……まあ」
「第2騎士団と第3騎士団の
魔宝剣使用による公式模擬決闘、か」
視線が上がり、エメラルドの瞳が楽しげに細められる。
「俺も見に行っていいかい?」
「……来るんですか?」
「一応、この件の責任者だからね」
そう前置きしてから、にやりと笑う。
「それに――
純粋に、興味がある」
(絶対それが本音だ)
「来たら、目立ちますよ」
「そうかな?」
「ええ。だって殿下ですし。
それに――セナとテオも出ます」
「二人の戦いは、興味あるな」
書類から目を離さず、さらりと言う。
その声があまりにも自然で、逆に心臓が落ち着かない。
「もし彼らとやり合うことがあったら、
今のうちに分析しておかないと」
「……そんな未来、来ません。
やめてください」
少し強めに言うと、ようやくこちらを見る。
その視線が真っ直ぐで、逃げ場がない。
「どうかな」
口元だけで笑う。
「二人とも、君のことが好きだろう?」
「……」
「こちらも、うかうかしていられない」
冗談めかしているのに、
言葉の奥にある熱は、どうしようもなく本気で。
(……本当に、この人)
胸が落ち着かなくなる。
嬉しいのか、困っているのか、自分でもよく分からないまま――
ただ、ディランの視線だけがやけに強く胸に残った。
ディランは書類を広げ、指先でとん、とん、と軽く叩いた。
その仕草が妙に余裕たっぷりで、胸の奥がざわつく。
「……まあ」
「第2騎士団と第3騎士団の
魔宝剣使用による公式模擬決闘、か」
視線が上がり、エメラルドの瞳が楽しげに細められる。
「俺も見に行っていいかい?」
「……来るんですか?」
「一応、この件の責任者だからね」
そう前置きしてから、にやりと笑う。
「それに――
純粋に、興味がある」
(絶対それが本音だ)
「来たら、目立ちますよ」
「そうかな?」
「ええ。だって殿下ですし。
それに――セナとテオも出ます」
「二人の戦いは、興味あるな」
書類から目を離さず、さらりと言う。
その声があまりにも自然で、逆に心臓が落ち着かない。
「もし彼らとやり合うことがあったら、
今のうちに分析しておかないと」
「……そんな未来、来ません。
やめてください」
少し強めに言うと、ようやくこちらを見る。
その視線が真っ直ぐで、逃げ場がない。
「どうかな」
口元だけで笑う。
「二人とも、君のことが好きだろう?」
「……」
「こちらも、うかうかしていられない」
冗談めかしているのに、
言葉の奥にある熱は、どうしようもなく本気で。
(……本当に、この人)
胸が落ち着かなくなる。
嬉しいのか、困っているのか、自分でもよく分からないまま――
ただ、ディランの視線だけがやけに強く胸に残った。