第4部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
「ほら! レオちゃん! 飲みましょう〜!」
「うわぁ! ルイ酔いすぎー!」
「いいでしょう〜! ティアナちゃんの誕生日なんだから〜!」
中央では、すっかり出来上がったルイがレオに絡んでいる。
レオは困ったように笑いながらも、まんざらでもなさそうだ。
その周りには、笑い声が絶えない。
(賑やかだな……)
視線を移すと、ユウリは相変わらず涼しい顔でグラスを傾けている。
あの量を飲んでいるはずなのに、まったく顔色が変わらない。
「ちょ、ユウリ大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ。お嬢様は絶対だめですよ」
「わかってるって」
ユウリは微笑んだまま、さらりと飲み干す。
本当に底が知れない。
「お嬢様ー!!」
勢いよく抱きついてきたのはアリスだった。
「わあ、アリス」
「楽しいですねー!! 祝いですよ!」
普段は控えめなアリスが、今日はやけに饒舌で豪快だ。
頬がほんのり赤くて、目がきらきらしている。
「ほらー、テオ!」
「うわ! まじやめて酔っ払い!」
テオに別の騎士団員が絡みつき、テオが本気で嫌そうにしている。
そのやり取りに、周囲がまたどっと笑う。
「はは、俺たちはまだジュースですね」
アレンがグラスを掲げて笑った。