追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
プロローグ
『しつこい』
それは、好きな人には絶対に言われなくない言葉だ。
ましてや恋人からなんてもってのほか。
それなのに私は、歴代の元恋人たち三人、全員からそれを言われてしまっている。
私が告白して付き合った人からも、相手から告白されて付き合った人からも、最後には必ずうんざりした顔で別れを切り出される。知らないうちに、相手の気に障ることをしてしまっているのだと思う。
だから、別れを経て新たな出会いがあるたびに〝今度こそは〟と気を尖らせるのだけれど、結果は同じだ。
極めつけは、大学時代の恋人からの仕打ちだ。
当時のことは思い出したくない。気が滅入って、引きずって、ひどいときには翌日以降の仕事にまで支障をきたしそうになる。
十分にトラウマと呼べるだろうその一件を経て、恋とか愛とか、私はそういうすべてを諦めた。
もっとはっきり言うなら、自分が夢中になって追いかけるような恋は二度としないと決めた。
夜は、あまり好きではない。考えたくないことまで考えてしまうから。
好きな音楽を聴いたり、好きな配信を観たり、好きな漫画を読んだり……そうやって自分の気分を上げようとするポジティブな気力の九十九パーセントくらいが夜闇に吸い込まれているのでは、と疑わしくなる。
時刻は午後八時手前。今夜も気分が沈むのかも、と眉が寄ったちょうどそのタイミングで、スマートフォンが高らかに鳴り始めた。
通話の着信だ。はっとしてスマホを手に取り、表示を確認するや否や、頭が一気に仕事モードに切り替わる。
それは、好きな人には絶対に言われなくない言葉だ。
ましてや恋人からなんてもってのほか。
それなのに私は、歴代の元恋人たち三人、全員からそれを言われてしまっている。
私が告白して付き合った人からも、相手から告白されて付き合った人からも、最後には必ずうんざりした顔で別れを切り出される。知らないうちに、相手の気に障ることをしてしまっているのだと思う。
だから、別れを経て新たな出会いがあるたびに〝今度こそは〟と気を尖らせるのだけれど、結果は同じだ。
極めつけは、大学時代の恋人からの仕打ちだ。
当時のことは思い出したくない。気が滅入って、引きずって、ひどいときには翌日以降の仕事にまで支障をきたしそうになる。
十分にトラウマと呼べるだろうその一件を経て、恋とか愛とか、私はそういうすべてを諦めた。
もっとはっきり言うなら、自分が夢中になって追いかけるような恋は二度としないと決めた。
夜は、あまり好きではない。考えたくないことまで考えてしまうから。
好きな音楽を聴いたり、好きな配信を観たり、好きな漫画を読んだり……そうやって自分の気分を上げようとするポジティブな気力の九十九パーセントくらいが夜闇に吸い込まれているのでは、と疑わしくなる。
時刻は午後八時手前。今夜も気分が沈むのかも、と眉が寄ったちょうどそのタイミングで、スマートフォンが高らかに鳴り始めた。
通話の着信だ。はっとしてスマホを手に取り、表示を確認するや否や、頭が一気に仕事モードに切り替わる。