独占欲に火がついた御曹司が溺愛猛追で鉄壁ガードを崩してきます
『そういうもんだってことにするんだよ。仕事で一緒にご飯行ったりもするでしょ、それとなんも変わんないから!』

 いや変わるでしょうよ、と心から思う。
 あの日、姉の声には電話越しながらも〝あんたのじれじれモダモダ具合には付き合いきれないよ〟と言わんばかりの呆れが滲んでいた。

『決まってる。来るよ、あんたの彼氏候補は』

 彼氏候補と呼ぶのはやめて、と伝える間もなく『いいから実行しな』と畳みかけられた。
 あの日通話が終わってからもああでもないこうでもないとひたすら頭を悩ませ続け、そして今、私は私なりに相当な勇気を振り絞っている。とはいっても、これ以上の沈黙には耐えきれない。

 やっぱり今のお誘いはなかったことに、と口を開きかけた、その矢先だった。

『行く。絶対、なにがあっても』

 電話越しにも明らかにそうと分かるくらい、食い気味な声だった。
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