追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
オープンタイプのキッチンから、ソファに座る鵜ノ崎さんの様子を窺いながら、せっせとコンロの鍋の様子も窺う。
大根にそっと竹串を入れると、串はすんなりと中まで埋もれていく。色もだいぶ良い。
「ん、しょんでだ」
「しょ……なに今の、もっかい言って?」
つい零れた独り言に、質問が、それも興味津々といった声で返ってくる。
自分がなんの気なしに口走った独り言に地元の方言が交じっていたと気づいた私は、不審なほどあたふたしてしまう。
「すみません、今のは〝しみてる〟って意味の方言です、ついポロッと」
「へぇ。珍しいな、柊木が方言出して喋るの」
嘲笑われている感じはまったくしない。
それどころか、鵜ノ崎さんの表情も声音も、だいぶ好意的に見える。
だとしても恥ずかしい。照れる。
自宅というテリトリーではどうしたって気が抜けるし、素も出る。以前は家にいようがどこにいようが、自分が仕事モードだと思えばすぐ仕事モードに切り替えられた。でも、今は違う。私は変わってしまった。
だいたい、今の私は仕事でこうしているわけではない。
鵜ノ崎さんと一緒なのに? そう、鵜ノ崎さんと一緒なのに。
大根にそっと竹串を入れると、串はすんなりと中まで埋もれていく。色もだいぶ良い。
「ん、しょんでだ」
「しょ……なに今の、もっかい言って?」
つい零れた独り言に、質問が、それも興味津々といった声で返ってくる。
自分がなんの気なしに口走った独り言に地元の方言が交じっていたと気づいた私は、不審なほどあたふたしてしまう。
「すみません、今のは〝しみてる〟って意味の方言です、ついポロッと」
「へぇ。珍しいな、柊木が方言出して喋るの」
嘲笑われている感じはまったくしない。
それどころか、鵜ノ崎さんの表情も声音も、だいぶ好意的に見える。
だとしても恥ずかしい。照れる。
自宅というテリトリーではどうしたって気が抜けるし、素も出る。以前は家にいようがどこにいようが、自分が仕事モードだと思えばすぐ仕事モードに切り替えられた。でも、今は違う。私は変わってしまった。
だいたい、今の私は仕事でこうしているわけではない。
鵜ノ崎さんと一緒なのに? そう、鵜ノ崎さんと一緒なのに。