独占欲に火がついた御曹司が溺愛猛追で鉄壁ガードを崩してきます
*
翌日、朝。
マンションの玄関で交わしたキスの感触が、まだ唇に残っている。唇のみならず、身体中の至るところに漠然とした寂しさが漂っている気がしてならない。
駅に到着し、小さくひと息ついた。
今日は午前十時から出社の予定だ。一旦アパートに戻り、業務用の端末を確認しておきたかった。
頭の中を仕事モードに切り替えたくてあれこれ考えを巡らせるものの、妙に落ち着かなかった。気を抜きたくないと確かに思っているのに、気持ちも吐息も浮ついたきりだ。
こんな状態で仕事に臨みたくない。
溜息が漏れた、そのときだった。
「あの」
かけられると思っていなかった声が背後からかかってきて、びく、と分かりやすく背が震える。
その拍子に指からスマホがするりと抜け、床に落ちてしまった。
「あっ」
咄嗟に腰を屈めたけれど、取り落としたスマホを拾い上げたのは、私ではなく細く長い指の持ち主だ。
翌日、朝。
マンションの玄関で交わしたキスの感触が、まだ唇に残っている。唇のみならず、身体中の至るところに漠然とした寂しさが漂っている気がしてならない。
駅に到着し、小さくひと息ついた。
今日は午前十時から出社の予定だ。一旦アパートに戻り、業務用の端末を確認しておきたかった。
頭の中を仕事モードに切り替えたくてあれこれ考えを巡らせるものの、妙に落ち着かなかった。気を抜きたくないと確かに思っているのに、気持ちも吐息も浮ついたきりだ。
こんな状態で仕事に臨みたくない。
溜息が漏れた、そのときだった。
「あの」
かけられると思っていなかった声が背後からかかってきて、びく、と分かりやすく背が震える。
その拍子に指からスマホがするりと抜け、床に落ちてしまった。
「あっ」
咄嗟に腰を屈めたけれど、取り落としたスマホを拾い上げたのは、私ではなく細く長い指の持ち主だ。