追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
「いいですよ。いっぱい、しても」

 好きな人だから許している。私も欲しいと思っている。
 その気持ちを言葉に乗せて伝えればいいだけだ。でも、どうしても言えない。

 これほど愛し合っているのにまだ言葉にできないなんて、私は本当に筋が通っていなくて、脆くて弱くてめちゃくちゃで、けれどそんな私を鵜ノ崎さんは一度だって否定していない。

 そういう、私が駄目だと思ってしまう私ごと、この人は全部包み込んでくれる。

「いいんだ? 嬉しい」

 唇と唇の間、わずかな隙間から囁いた鵜ノ崎さんの唇が、今度は深く私を捕らえた。

「ふ、ぅ……っ」

 口を塞がれて封じられた声が、甘さを孕んで鼻から抜けていく。
 それまで穏やかに流れていた空気が一瞬で熱を帯び、私はその熱に呑み込まれ、後は落ちていくばかりになる。

 どうしよう。私、鵜ノ崎さんのこと、好きすぎる。

 頭がおかしくなりそうなくらい好きで好きで仕方がないのに、私は、まだその気持ちをあなたに伝えられずにいる。
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