独占欲に火がついた御曹司が溺愛猛追で鉄壁ガードを崩してきます
あまりにも分かりやすい。笑いたかったはずなのに、目尻に薄く涙が滲んだ。
父の様子を間近で見ていたらしき式場のスタッフさんも、眉尻を下げ、優しい笑顔で私たちを見守ってくれている。
「それでは、間もなくご入場です。お父様、どうぞ新婦様と腕をお組みください」
「はっ、はい。腕、歩加、腕、ええと、あぁどっちだ?」
「落ち着いてお父さん、こっちこっち」
すっかり緊張気味のお父さんと腕を組み、ふたり並んで扉の前に立つ。
「あなた、しっかりね!」
「泣かないで頑張って!」
「じいじ、がんば~!」
「おう、うん、はい、じいじ頑張るからな」
母、姉、姪っ子が、それぞれ順にお父さんへ激励の言葉をかけ、先に聖堂内の家族の席へと進んでいく。
真っ赤な目のお父さんと腕を組んだままで目が合い、今度こそ一緒に笑い合った。
「歩加。なんだ、その……幸せにな」
「うん。ありがと」
不器用な父らしい短い言葉に、感謝を込めて返事をする。
高らかに鳴り響き始めたパイプオルガンの音色に合わせ、ギィ、といよいよ扉が開く。
眩しい。色とりどりのステンドグラスが反射するバージンロードを見つめ、目を細めてから視線を上向ける。
その先に愛する人のタキシード姿を認め、自然と笑みが零れた。
溢れんばかりの幸せを噛み締めながら、私はゆっくりと足を踏み出した。
〈ハッピーエンドの一年後/了〉
父の様子を間近で見ていたらしき式場のスタッフさんも、眉尻を下げ、優しい笑顔で私たちを見守ってくれている。
「それでは、間もなくご入場です。お父様、どうぞ新婦様と腕をお組みください」
「はっ、はい。腕、歩加、腕、ええと、あぁどっちだ?」
「落ち着いてお父さん、こっちこっち」
すっかり緊張気味のお父さんと腕を組み、ふたり並んで扉の前に立つ。
「あなた、しっかりね!」
「泣かないで頑張って!」
「じいじ、がんば~!」
「おう、うん、はい、じいじ頑張るからな」
母、姉、姪っ子が、それぞれ順にお父さんへ激励の言葉をかけ、先に聖堂内の家族の席へと進んでいく。
真っ赤な目のお父さんと腕を組んだままで目が合い、今度こそ一緒に笑い合った。
「歩加。なんだ、その……幸せにな」
「うん。ありがと」
不器用な父らしい短い言葉に、感謝を込めて返事をする。
高らかに鳴り響き始めたパイプオルガンの音色に合わせ、ギィ、といよいよ扉が開く。
眩しい。色とりどりのステンドグラスが反射するバージンロードを見つめ、目を細めてから視線を上向ける。
その先に愛する人のタキシード姿を認め、自然と笑みが零れた。
溢れんばかりの幸せを噛み締めながら、私はゆっくりと足を踏み出した。
〈ハッピーエンドの一年後/了〉