野いちご源氏物語 五一 浮舟(うきふね)
良くも悪くもお疲れになる二日間だった。
気楽な二条の院にお帰りになると、宮様はぐったりなさる。
ご体調が悪くいだけでなくお食事も召し上がらない。
どんどん青白くおやせになって、別人のようになってしまわれた。
帝や中宮様もご心配なさっている。
浮舟の君へお手紙を書こうとなさるけれど、お見舞客がつぎつぎに参上する。
落ち着いてお書きになることはできなくて、短いお手紙をお送りになった。
山荘にはあの頑固な乳母が戻ってきている。
娘の出産は無事に済んだみたいね。
宮様からお手紙が届いても、乳母に見つからないように読むのは難しそう。
浮舟の君の母君は、薫の君が娘を都に迎えてくださると聞いてよろこんでいる。
半年ほど前に、都の隠れ家から勝手に娘を連れ出されて以来、この先を心配していたの。
とにかく薫の君に見捨てられないことを願っていたから、堂々とではなくても都に呼び寄せてくださるなら一安心よね。
もっと女房が必要になるだろうと、新しい人を探したり、かわいらしい女童を雇って宇治の山荘へ寄越したりする。
浮舟の君自身も、
<そうよ、これが最初からの望みだったじゃないの>
と思ってはいる。
でも、どうしても宮様のことを思い出してしまう。
宮様の面影が頭から離れなくて、嫉妬なさったことや優しくお約束してくださったことが忘れられない。
少しうとうとすれば夢にまで現れなさる。
嫌になってしまうほど、宮様は浮舟の君の心に住みついてしまわれた。
気楽な二条の院にお帰りになると、宮様はぐったりなさる。
ご体調が悪くいだけでなくお食事も召し上がらない。
どんどん青白くおやせになって、別人のようになってしまわれた。
帝や中宮様もご心配なさっている。
浮舟の君へお手紙を書こうとなさるけれど、お見舞客がつぎつぎに参上する。
落ち着いてお書きになることはできなくて、短いお手紙をお送りになった。
山荘にはあの頑固な乳母が戻ってきている。
娘の出産は無事に済んだみたいね。
宮様からお手紙が届いても、乳母に見つからないように読むのは難しそう。
浮舟の君の母君は、薫の君が娘を都に迎えてくださると聞いてよろこんでいる。
半年ほど前に、都の隠れ家から勝手に娘を連れ出されて以来、この先を心配していたの。
とにかく薫の君に見捨てられないことを願っていたから、堂々とではなくても都に呼び寄せてくださるなら一安心よね。
もっと女房が必要になるだろうと、新しい人を探したり、かわいらしい女童を雇って宇治の山荘へ寄越したりする。
浮舟の君自身も、
<そうよ、これが最初からの望みだったじゃないの>
と思ってはいる。
でも、どうしても宮様のことを思い出してしまう。
宮様の面影が頭から離れなくて、嫉妬なさったことや優しくお約束してくださったことが忘れられない。
少しうとうとすれば夢にまで現れなさる。
嫌になってしまうほど、宮様は浮舟の君の心に住みついてしまわれた。