芹沢くんは攻略不能
そして、そんなこんなでとうとうテスト期間はやってきた。
教室にはいつもより緊張した空気が漂っていた。
「萌音〜むりやばいほんっとに無理。」
「大丈夫、言いたいことは分かるよ。
数学でしょ…私も自信ないよ〜。」
「とりあえず赤点回避…赤点回避…。」
優愛は席に戻ると数学の教科書を開いてじーっと見つめていた。
さてと、私も最後の悪あがきするか…。
とりあえず一通り公式覚えてたらなんとかなるでしょ。
芹沢くんが振り返り、私の教科書の公式を指差す。
「ここ、多分出る」
「えっ、ほんと?!」
「この前授業でテストに出すって言ってたから」
「そうなんだ!芹沢くんありがとう!」
芹沢くんは前を向くと、再び教科書に目を落としていた。