芹沢くんは攻略不能
テストが始まると、クラス中の生徒全員が必死に問題を解いていく。
シャーペンを書き進める音、解き方が分からず消しゴムで消す音だけがクラスに響いていた。
そして数学の問題用紙を見た瞬間、思わず心の中で声を上げた。
あっ、これ!
それは芹沢くんが教えてくれた公式を使う問題だった。
芹沢くん、ありがとう……!
あとでちゃんとお礼言わなくちゃ!
☆☆☆
テスト終了後、思わず芹沢くんに話しかける。
「芹沢くん、あの問題出たね!」
「……出たね」
「公式教えてくれたおかげで無事解けたよ〜!
ほんっとにありがとう!」
「無事解けたならよかった」
その返事が嬉しくて私は笑ったが、芹沢くんは特に気にした様子もなく、次の科目の教科書を開いていた。


