完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
「花音さんに守ってもらうつもりはないが……」

「……そう、ですよね」

「このスカーフに助けられたのは本当だからな……貰っておく」

そう言って大事そうに触ったのでドキっとした。

「それから……昨日のケーキ」

「え?」

思わず顔を上げる。

「まだあるなら……食べる」

「……っ!」

ぱっと顔が明るくなる。

「ほ、本当ですか!?」

「ああ」

視線を逸らしたまま、小さく頷く。

「今度は、一人で作れよ」

ぽつりと付け足される。

「……はいっ!」

思わず、強く頷いてしまう。

嬉しくて飛び跳ねてしまいそうだ。

「……じゃあ、行きますね」

名残惜しいけど、小さく頭を下げる。

廊下を歩きながら、胸に手を当てる。

ドキドキが、全然おさまらない。

指先に触れる、指輪の感触。

そこにあるだけで、さっきの出来事が全部現実だって分かる。

足取りは、自然と軽くなっていた。

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