完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
嫉妬のキス
朝のホームルームが終わると、教室の空気が一気に変わった。
いつもは整然と並んでいる机が端に寄せられ、中央には大きなテーブルがいくつも並べられていく。
並べられるティーカップ、手作りの甘いお菓子や紅茶の香り。
数日後に控えた「交流会」に向けて、クラス全体が動き出していた。
外部の方も招くこの行事は、いわば社交の場。
普通の文化祭とは違う、少し特別なイベント。
「こちらは甘さをもう少し控えた方がよろしいかしら」
「紅茶の種類は沢山ご用意した方がよろしいですわね」
上品な会話が飛び交う中で、私は少しだけ緊張しながら立っていた。
「九条さん、こちらお願いしてもよろしい?」
「は、はいっ」
慌ててお皿を受け取る。
まだ慣れないけど……ちゃんとやらないと。
そう思った、その時だった。
「……ずいぶん優雅な文化祭だな」
後ろから聞こえた声に、思わず振り返ると……
壁にもたれかかるように、大我さんが立っていた。
「大我さん……」
「“交流会”、だっけ?」
教室をぐるりと見回して、少しだけ口元を歪める。
「お上品で結構なことで」
「……」