完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~

揺れる気持ち





翌日、教室に入った瞬間、いつもと違う空気に気づいた。

ざわざわと、落ち着かない声。

ひそひそと交わされる会話が、どこか張り詰めている。

「……お聞きになりまして?」

「昨日の交流会の件……?」

「朝比奈様、入院されたって……」

胸が、どくんと鳴る。

私は思わず足を止めた。

「命に別状はないようですが……」

「紅茶に、何か入ってたらしいですわ……」

「警察も来てるようで……」

――やっぱり。

昨日の光景が、頭の中に蘇る。

青ざめていく志乃さんの顔、すぐに駆け寄った要さんの姿。

迷いなく支えて、そのまま連れて行った後ろ姿。

胸の奥が、ぎゅっと締めつけられる。

「……九条さん」

柏葉さんに声をかけられて、はっとした。

「大丈夫ですか?顔色、あまり良くないようですが……」

「い、いえ……大丈夫です」

無理やり笑って、次の授業の準備に取り掛かった。

要さんは……今日は学校を休んでいる。

志乃さんの付き添いや警察の取り調べで、病院とお屋敷を往復していると聞いた。

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