完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
*
*
夕食を終えて、お風呂を済ませた頃。
夜の屋敷は、昼間とは違う静けさに包まれていた。
スマートフォンが、小さく震える。
要さんからだ。
〝今こっちに来れるか?〟
短い一文。
それだけなのに、胸がどくんと鳴った。
こんな時間に、どうしたんだろう。
でも――
〝今から行きます〟
そう返信して、部屋を出る。
廊下はしんと静まり返っていて、自分の足音だけがやけに響いた。
要さんの部屋の前で、そっと深呼吸をする。
――コンコン。
「……どうぞ」
中から返ってきた声は、いつもより少し低く感じた。
「失礼します」
扉を開けた瞬間……
「……っ」
思わず、言葉が詰まる。
そこにいたのは、いつものきっちりした格好じゃない要さんだった。
ラフなシャツに、ゆるく落ちた髪。
まだ少し濡れているのか、無造作に整えられた前髪から水気が残っている。
こんな姿、初めて見るかもしれない。
「どうした?」
じっと見てしまっていたのか、少しだけ眉を上げられる。
「い、いえ……」
慌てて視線を逸らす。
心臓が、落ち着かない。
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夕食を終えて、お風呂を済ませた頃。
夜の屋敷は、昼間とは違う静けさに包まれていた。
スマートフォンが、小さく震える。
要さんからだ。
〝今こっちに来れるか?〟
短い一文。
それだけなのに、胸がどくんと鳴った。
こんな時間に、どうしたんだろう。
でも――
〝今から行きます〟
そう返信して、部屋を出る。
廊下はしんと静まり返っていて、自分の足音だけがやけに響いた。
要さんの部屋の前で、そっと深呼吸をする。
――コンコン。
「……どうぞ」
中から返ってきた声は、いつもより少し低く感じた。
「失礼します」
扉を開けた瞬間……
「……っ」
思わず、言葉が詰まる。
そこにいたのは、いつものきっちりした格好じゃない要さんだった。
ラフなシャツに、ゆるく落ちた髪。
まだ少し濡れているのか、無造作に整えられた前髪から水気が残っている。
こんな姿、初めて見るかもしれない。
「どうした?」
じっと見てしまっていたのか、少しだけ眉を上げられる。
「い、いえ……」
慌てて視線を逸らす。
心臓が、落ち着かない。