完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
さっきまでの張り詰めた空気が、少しだけ緩む。

「ダンスが始まるから行くぞ」

私の手を取り、今度はしっかりと指を絡めて。

「今日は酔ってないよな?」

「もちろんです!」


そのまま手を引かれて、フロアへと戻る。

音楽が、ゆっくりと流れ始めていた。

「……大丈夫か」

「はい」

さっきまでの不安が、少しだけ遠くなる。

要さんの手が背に触れ、リズムに合わせて体が自然と動いた。

一歩、二歩。

前よりも、ずっと落ち着いている。

「……いいじゃん」

小さく呟かれる。

「要さんが一緒だから……頑張れます」

思ったままを口にすると、

一瞬だけ、動きが止まった。

「……そういうこと、簡単に言うな」

「え?」

「余計離したくなくなる」

「……っ」

また、心臓がうるさくなる。

そのままくるりと回され、今回はちゃんとついていけた。

「……成功したな」

その一言に、胸がじんわりと温かくなる。

ダンスが終わる頃には、さっきまでの不安は少しだけ薄れていた。

一曲無事に踊りきり、私達はソファ席で休んでいた。

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