完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
言葉とは正反対の不安そうな表情で。
「……ちゃんと話せていたもの」
「……っ」
「大我なら、きっと乗り越えられるわ」
自分に言い聞かせるみたいな声だった。
それでも、その言葉に少しだけ救われる。
私は小さく頷いた。
「……はい」
私たちはその後、朝比奈家の人たちが用意してくれた大広間で休むことになった。
要さんと志乃さんのお父様たちは、事情聴取のため別室へ行った。
志乃さんも他の残った来賓の人たちも、みんな疲れ切って口数が少ない。
無理もない、あんな非現実的なことが起きたんだからショックは大きい。
「はぁ……」
出されたお茶を飲んで一息ついても、大我さんの苦しそうな姿が目に焼き付いて離れなかった。
「落ち着くなんて無理よね……」
隣で座っていた志乃さんがふっと微笑む。
「はい……頭の中が混乱していて……」
「あんなことが起きたんだもの、無理はないわ……それにしても、花音さんはすごい人ね……」
「え?」
「黙っていられないところよ」