完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
要さんは机に肘をついたようだった。
「親父も爺さんも、口が堅すぎて何も話さねぇ」
その言い方に、私は目を見開く。
親父……!?
本当に要さんなの!?
確認したいけど身動きが取れない。
いつも穏やかで丁寧な要さんからは想像できない言葉だった。
「何か隠してるのは間違いないだろ」
峰山さんが静かに言う。
「あの時の抗争が忘れられませんね」
その言葉に、要さんの声が少し低くなった。
「ああ……。あの時の連中、覚えてるか」
「はい……獅堂家のせいで多くが潰れたと騒いでいた組織ですね」
要さんは小さく笑った。
でも、その笑いは冷たい。
「“獅堂家の裏を知ってたら……”そう言ってたな、あいつら」
私は本棚の陰で固まっていた。
獅堂家の……裏……?
要さんは続ける。
「普通の家ならただの負け犬の遠吠えだ。でもな……」
少し間があった。
「うちの家なら、あり得なくもない」
「ええ……悲しい事ですが」
「表じゃ跡取りやってりゃいいけど」