引きこもり令嬢は皇妃になんてなりたくない!~強面皇帝の溺愛が駄々漏れで困ります~4
プロローグ 今夜、本当の婚姻の儀式を
エンブリアナ皇国では、至るところで祭りが開催されていた。
二週間前、本日を『祝日にする』と国から発表され、それ以来各領地を治める貴族たちは今日までの間に領民たちと準備に動いた。
そして今日、宮殿で行われる皇帝夫妻のある宴に合わせて、国民は総出となって明るい未来を祈り祝って騒いでいる。
王都では、立派な心獣たちを連れた護衛が整列するなか、皇帝と皇妃による華やかな行進も話題となった。
宮殿で開催された祝いの宴は、名目上、皇帝と皇妃の『結婚記念日』だ。
本日から三日間は祝日となる。皇帝の側近たちも全員賛成したその類をみない異例の祝日については――実のところ、知る人ぞ知るある特別な日ともなるためだ。
(ああ、とうとうこの日を迎えたのね)
夫であるジルヴェスト・ガイザー皇帝と別に後宮へ入った妻のエレスティアは、侍女たちに続きながらどきどきした。
祝宴は夜まで続いたが、皇帝と皇妃は早々にお休みになられると伝えられ、二人は移動となったのだ。
湯浴みは、普段より丁寧になされた。
エレスティアの白い肌はいっそう輝くようしっとりと磨き上げられ、髪も丹念に手入れをされる。
用意されていたナイトドレスに袖を通した際、エレスティアは少々派手ではないかと恥ずかしくなった。
少し、透けて見える。
けれど――どうせ、すべて見せることになるのだ。
今夜のために用意された特別なナイトドレスなのだから。
それからほどなく、早い時間であるが後宮は消灯される。
そして大きな寝室にいたエレスティアは、今、ジルヴェストを見上げる形でベッドに横たわっていた。
「美しいな、エレスティアは」
エレスティアを見下ろす彼の金色の髪は、まだ少し濡れている。
この皇国で最も大きな彼の心獣が、同じく金色の毛を揺らして護衛のため入ってきたが、エ
レスティアに彼の心の声は聞こえてこない。
(ジルヴェスト様が思ったことをそのまま話してくださっているから……)
感極まって目頭も熱くなる。
「優しくする。愛おしい君が、痛くないように」
「は、い……」
相手は夫。何も恥ずかしがる必要などないが、やはり、緊張はする。
彼に、肌を見られたことはないから。
けれど同時に、エレスティアの胸は喜びではち切れそうでもあった。
今夜二人は、ようやく初夜を迎える。
二週間前、本日を『祝日にする』と国から発表され、それ以来各領地を治める貴族たちは今日までの間に領民たちと準備に動いた。
そして今日、宮殿で行われる皇帝夫妻のある宴に合わせて、国民は総出となって明るい未来を祈り祝って騒いでいる。
王都では、立派な心獣たちを連れた護衛が整列するなか、皇帝と皇妃による華やかな行進も話題となった。
宮殿で開催された祝いの宴は、名目上、皇帝と皇妃の『結婚記念日』だ。
本日から三日間は祝日となる。皇帝の側近たちも全員賛成したその類をみない異例の祝日については――実のところ、知る人ぞ知るある特別な日ともなるためだ。
(ああ、とうとうこの日を迎えたのね)
夫であるジルヴェスト・ガイザー皇帝と別に後宮へ入った妻のエレスティアは、侍女たちに続きながらどきどきした。
祝宴は夜まで続いたが、皇帝と皇妃は早々にお休みになられると伝えられ、二人は移動となったのだ。
湯浴みは、普段より丁寧になされた。
エレスティアの白い肌はいっそう輝くようしっとりと磨き上げられ、髪も丹念に手入れをされる。
用意されていたナイトドレスに袖を通した際、エレスティアは少々派手ではないかと恥ずかしくなった。
少し、透けて見える。
けれど――どうせ、すべて見せることになるのだ。
今夜のために用意された特別なナイトドレスなのだから。
それからほどなく、早い時間であるが後宮は消灯される。
そして大きな寝室にいたエレスティアは、今、ジルヴェストを見上げる形でベッドに横たわっていた。
「美しいな、エレスティアは」
エレスティアを見下ろす彼の金色の髪は、まだ少し濡れている。
この皇国で最も大きな彼の心獣が、同じく金色の毛を揺らして護衛のため入ってきたが、エ
レスティアに彼の心の声は聞こえてこない。
(ジルヴェスト様が思ったことをそのまま話してくださっているから……)
感極まって目頭も熱くなる。
「優しくする。愛おしい君が、痛くないように」
「は、い……」
相手は夫。何も恥ずかしがる必要などないが、やはり、緊張はする。
彼に、肌を見られたことはないから。
けれど同時に、エレスティアの胸は喜びではち切れそうでもあった。
今夜二人は、ようやく初夜を迎える。
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