ピッと封印!放課後のマジカル・プライスレス!


「まひろ、これ、見てみろよ。新聞部からもらってきたんだけど」

お昼休みに入ってすぐ、平が猛ダッシュでわたしの席にやってきた。
ずいっと突き出した新聞部の記事には、『商店街が凍りつけに!』の文字が見える。
クラスメイトに聞こえないように、わたしは声をひそめて平に話しかけた。

「凍りつけ? これってもしかして、妖怪が商店街を凍らせたってこと?」
「ああ。恐らくな。朝、新聞部の生徒たちが、商店街の横を通ろうとしたら、商店街そのものが凍りついていたらしい」
「商店街すべてが……?」

わたしは食い入るように、記事を見つめる。
記事には、『一夜にして凍りついた商店街の謎!』の文字が大きく踊っていた。
休み時間に慌てて作ったせいなのか、新聞部の記事にはまだ、詳しいことは書かれていない。
だけど、これだけの騒ぎとなると、テレビや新聞、インターネットニュース、SNSなどで取り上げられてしまうかもしれない。
事態は、かなり深刻だということだ。

「ねえ、平。これ……昨日、わたしが逃がしちゃった妖怪の仕業だよね」

わたしは震える指で、記事を握りしめる。
自分の『不器用』のせいで、誰かの日常が凍りついている。
そう思うと、お弁当の味も分からなくなってしまった。
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