†鑑査委員制度†
千里くんは画面から視線を外し一度頷いた。
「これは誰だって特定できる名前がないけど、中には書いてある物もあるし、直接的な呼称でなくても結果的に見る人が見れば分かっちゃう物も多いよ」
そうしてやれやれと言った仕草で肩を浮かした。
「最近耳にするよね、インターネット上でのトラブル。何も俺たちがそれを防げるとは思っていないけどさ、でもこうやって見て、少しくらい気を回してやる事ぐらいはできるだろうって話」
何なら削除する方法も教えておくよ?
そう付け加えて椿千里は閉口した。
何だか俺も一理あるように思えてはきたな・・・
確かにこうした書き込みが頻繁のようなら、トラブルも尽きなさそうだ。
まぁ俺からすればそんな物は見なければいいし、そもそもいくらネット上とはいえもう少し配慮して書けないものかと頭を捻ってしまう。
「分かった、僕も出来るだけ覗くようにするよ」
必要性を多少自分でも感じたので同意した。千里くんに言いくるめられただけな気もしないでないが・・・取り合えずは良しとしよう。
「そう?じゃまずはクラスの人の分だけでも、ブログ、プロフを洗わないとね。俺もA組の人は何人か知っているはずだから、後で送っておくよ。基本的にbookmark機能に保存しておいたほうがいいかもね」
「分かった、ありがとう」
「いぇいえ」
微笑を浮かべ、千里くんは自分のケータイで時刻を一度確認した。
「あっごめん、俺ちょっとこの後用事あるんだ。今日はこれで」
そう言うと少し世話しなく部屋を後にした。
別れ際に姫宮さんの伝言だとかで金沢さんの件で釘を差されたが・・・
本当に今日はすぐに事が済んでしまった。
何となく今すぐ帰る気になれず、そのまま自分のケータイを取り出した。
着信が一件入っているのを確認して表示画面を呼び出す。
キョウジさんからだった。