†鑑査委員制度†
「どういうつもりで来たのよ?」
相変わらず不機嫌そうに顔を横へ向けたままの姫宮さんにそう尋ねられる。
また今日は・・・随分と怒ってるな。
自然と顔は苦笑いにならざるをえない。答えようと口を開いたタイミングで、千里くんから静止がかかった。
「透くんごめん、悪いけど待って。ミコト、お前そんな状態でちゃんと話しなんかできんの?」
「・・・できるわよ!」
姫宮ミコトは椿千里に目をむく。その様子を見て、千里くんは一つため息をついた。
「どう見ても無理じゃん?ちょっと頭冷やして来いよ・・・ほら、何か飲み物でもついでに買ってきてさ。説明は俺の方でしておくから・・・」
そう言って千里くんはズボンのポケットに手を突っ込み、おもむろに小銭やら千円札を取り出し、姫宮さんに渡した。
無理やり握らされた体になった姫宮さんは千里くんを睨みあげ、その癖やめなさい。とか何とか、2人の間でもうひと悶着が終始繰り広げられた。
でも結局、まともに取り合わない千里くんに根負けしたのか、買い出しに行く事が決定したらしい。
ぶっちょう面のままだったが「・・・何がいい?」と一応希望を聞かれ、基本、根は悪い子じゃないんだよなぁと思いながら、スポーツ飲料をお願いした。
姫宮さんが教材室を出る様子を見届けると、千里くんは肩を軽く浮かせ、技巧がかった仕草で眉を歪めた。
「ごめんね。なぜかあいつ、透くんには異常に突っかかってるね」
あぁ、全くだ。
俺の何がそこまで姫宮さんの気に触れているのか分からない。