†鑑査委員制度†
「まぁジョークはここまでとして・・・」
そう言いながら椿千里はゆっくりと立ち上がる。
「ジョーク!?」
ジョークだったのか!?
微妙に心の中で姫宮さんとリンクしながら、俺も次いで力無く立ち上がった。
そのタイミングで千里くんは俺に向き直る。
「さて透くん。俺はミコトみたいに怒ってはいないけど、ちょっと忠告したい事があってね?」
千里くんの相変わらず熱の通っていない声音でそう言われ、逆にもの凄く怒っているんじゃないかとドキリとした。
ついつい身構えるとそんな俺の様子に気がついた椿千里は、人懐こい笑みを浮かべ軽い調子で再度訂正する。
「いやいや本当に、怒ってないって?」
そう言いながら俺の肩を数度軽く叩く。
そう言う声にもやはり抑揚がないが・・・まぁ昨日から彼を観察するに、これが椿千里の個性か?
「あなた、今日の休み時間。いったい何してくれたと思うの?」
一人納得したところで、再び姫宮さんの尋問が飛んでくる。俺はぎくりと背筋を伸ばした。
「休み時間って・・・」
何をしたかと言えば、B組に行ったくらいだが・・・まさかこれが姫宮さんの激怒の原因か?
「ミコト、だからそう高圧的な物言いは止めろって。俺達も説明不足だったんだ。自分達にも落ち度があった事は認めろよ?」
千里くんにそうなだめ聞かされた後、姫宮さんはぷいと不機嫌な顔のまま横を向いてしまった。
で、やっぱり原因は俺にあるのか?