†鑑査委員制度†
「うん」
って、何て切れの悪い返事だよ俺?
姫宮ミコトの予想外に素直な反応に、声を詰まらしていると
「それで?うちのクラスに何の用で来たのよ」
と、さっきの(ほんの一瞬だったが)しおらしさは激変
気がつくと俺を盛大に睨み上げていた。椿千里は「あっちゃ〜」と声をあげ、片手で顔を覆った。
前言撤回、元々の顔の造りがいいのは認めるが、残念ながら性格はどこまでいっても傍若無人な女王様だよ君わ・・・
「お前、全然分かってないよね?」
呆れながら呟いた千里くんに姫宮さんは、それはそれはわざとらしいほど優美に微笑みを浮かべ
「何が?はいこれ椿の分」
そう言ってパックジュースを丁寧な動作で椿千里に渡した。
パッケージを確認した千里くんは短く「げぇ」と声を漏らす。
「何これ?この、グアバコーヒー牛乳って?俺、普通にお茶類頼んだはずなんだけど」
「大変美味しそうだったから椿に買ってきたの」
「・・・このやろ」
千里くんの苦情はまるっきり無視して、そう言う姫宮さん自身は、名の知れたメーカーのアイスミルクティーを手にしていた。缶のプルタブを音を立てて開ける。
一口煽ったところで、姫宮ミコトは俺に再び目を向ける。
「説明してくれる?こっちはあなたの行動のせいで、窮地に陥ったのよ」
えっ・・・そこまでの事態?
あまりにも不穏な物言いに驚いていると、どうやらそれは千里くんも同じだったらしい。
「ちょっと待てミコト!それ本当か!?まさか・・・」
「言葉のあやよ。陥りかけたって言いたいの!」
いやいや「陥った」と「陥りかけた」はえらく違いがあると思うぞ?
まぁ取りあえず、俺は何も酷い状況にはしてないんだよな・・・?
誰も答えてくれないのも承知で、一人自問自答している間にも、姫宮さんと千里くんの応酬は続けられていた。
「何だよ。八つ当たりかよ!」
「違う!可能性の話しとしては事実でしょ!!」
・・・あぁもう、何なんだよこいつら?
いちいち面倒くせーな。