†鑑査委員制度†
「まぁまぁ2人とも落ち着いて・・・」
半分投げやりな気持ちで、いつまでも続きそうな2人の言い合いに制止をかけた。
「えっ何それ、透くん。俺も頭数に入れられてるわけ?」
椿千里はいかにも不満げな表情でため息を一つ落とすと、仕方無しといった様子だったがこの言い合いの終止符をうった。
「まぁあれだよミコト。透くんは今日の段取り決めようとして来てくれたらしいよ」
その声を聞いて姫宮ミコトは真顔で俺を見上げる。そんな事は分かっているのよ、とでも言うかのように。
「鑑査員がなれ合う事がどれほど体悪いことか、私たちの説明不足だった事は謝るわ。でもね・・・」
尚も彼女が話を続ける様子なので、俺は黙って聞き入ることに徹する。
「あなたはもっとリスクの高さを理解すべきよ」
そう光強い大きな瞳で、真っ直ぐ見つめられるとたじろいてしまう。
でも、俺が考えていた以上に事は重大らしい。それだけは肝に命じておく必要がありそうだ。
「・・・こんなに言った後で何なんだけど、でも私はあえてそのタブーより利益や効率の問題で、あなたとは協力体制をとっていきたいの」
気まずそうに、どうかしら?と尋ねる姫宮さんが照れ隠しでそうしていることはもう知っていた。ふと視線に気づき顔をあげると、千里くんと目が合う。
椿千里はどこか妖しげな妖美な微笑みを作って俺を迎えた。こちらはどこか面白がっている体だ。
「俺も透くんと鑑査できたら楽しそうに思うんだけどな。どう、一緒に秘密を共有しない?」
そう言い椿千里はつくつくと、また例の笑い声を漏らした。