地下裏の恋
「そうよ、愛美嬢~。さびしかったっすよ。やっぱ酒にはいい女が必要っすからね。」


今度はミカ。何故か彼女からは嬢扱い。別に姐御でもなんでもないんだけど…。


「でも!今日は、オサが私達の所に、戻って来てくれましたぁ!イェ~イっ!」


「イェイ、イェイ、イェ~イっ!愛美嬢万歳っ!」


だから、今は、笑えないって。


「万歳~!」


そんなあたしの気持ちを知ってか知らずか、いや知らないフリか、2人は目の前で万歳三唱を始めた。


さすがにこれは恥ずかしい。いくら賑やかな週末の大衆居酒屋でも目立ってしまう。


だって、あたしは、あんたらと違って、普通なんだからっ。


「ちょっと、辞めてよ。」


「ん?オサは飲みが足りませんね?」


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