音のない世界で、君に恋をする。



「ねぇ湊。こんな可愛い子どーしたの?」



陽翔が興味津々に聞いてくる。



「拾った」



「湊がそんなことするって、なんかあっただろ」



颯馬はなんかニヤついてるし。



「……ほっとけ」



めんどくせぇからテキトーにあしらって、雑誌に目を移した。





そのあと、澪と陽翔たちはなんか楽しそうに話してた。



澪の顔がさっきよりも柔らかくなっていて、連れてきて良かった……と静かに胸を撫で下ろした。





……燐は、相変わらず一人で端っこにいたけど。





ギャーギャー騒いでいる奴らを横目に、スマホを開けばもう22時前だった。



さすがにこれ以上ここに居たら親も心配すんだろ。



まだまだ盛り上がる陽翔たちを置いて、溜まり場を後にした。





【今日はありがとうございました】



家の前に着き、にこっと笑って頭を下げる澪。



その笑顔が、どこか寂しそうに見えた。





【もう大丈夫です】



またぎこちなく笑う澪。





……全然上手く笑えていなくて、少し心配になる。





【慣れてます】



その言葉に、中学の時の燐の顔が頭に浮かんだ。


< 38 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop