音のない世界で、君に恋をする。
「ねぇ湊。こんな可愛い子どーしたの?」
陽翔が興味津々に聞いてくる。
「拾った」
「湊がそんなことするって、なんかあっただろ」
颯馬はなんかニヤついてるし。
「……ほっとけ」
めんどくせぇからテキトーにあしらって、雑誌に目を移した。
そのあと、澪と陽翔たちはなんか楽しそうに話してた。
澪の顔がさっきよりも柔らかくなっていて、連れてきて良かった……と静かに胸を撫で下ろした。
……燐は、相変わらず一人で端っこにいたけど。
ギャーギャー騒いでいる奴らを横目に、スマホを開けばもう22時前だった。
さすがにこれ以上ここに居たら親も心配すんだろ。
まだまだ盛り上がる陽翔たちを置いて、溜まり場を後にした。
【今日はありがとうございました】
家の前に着き、にこっと笑って頭を下げる澪。
その笑顔が、どこか寂しそうに見えた。
【もう大丈夫です】
またぎこちなく笑う澪。
……全然上手く笑えていなくて、少し心配になる。
【慣れてます】
その言葉に、中学の時の燐の顔が頭に浮かんだ。